カワイイと残酷


この絵は、とあるニュースにショックを受けて描きました。小学生が自ら命を絶ったニュースで、ネットや新聞では、自殺の原因をいじめとしています。あまりにも早く旅立ってしまった彼女は、転校する前の友達に手紙を書いていました。その便箋の片隅に、カワイイキャラクターが印刷されていました。僕は、カワイイそれらのキャラクターをみて、複雑な気持ちになりました。
キャラクターは呼吸しません。でも、キャラクターは呼吸する人間の日常をエンターテインするために、呼吸する人間によって創作されました(それがダウナー系であるとしても)。よって、その背後には、常に人間の良心があると思っています。私たちがスーパーにいき、冷凍食品や菓子パンに印刷されたキャラクターをみるとき、そこには良心がある。けども、そんな架空の心情コミュニケーションの裏には、残酷な現実もある。印刷物の彼ら/彼女らが居ても、救われない現実がある。僕は、キャラクターをみると、そんな哀しみや残酷さをどこかで感じます。

絵は見事に失敗しました。何を描きたかったかすらわからないです。キャラクターの不気味さか。よく分からない。カワイイものを否定する気持ちは微塵もないです。ひとつでも多くのキャラクターが弱った心を救ってくれることを願って止まないです。便箋が真っ白である必要はない。けども、カワイイの裏をみつめる気持ちも忘れたくありません。