『鋤田正義展 SOUND&VISION』 備忘録

鋤田正義展 SOUND&VISION」とてもよかった。もちろんT.REXデビット・ボウイという被写体と真っ向勝負して負けないのは凄い。ただ、もっと感動したのは「Galax」という72人のスターのバナー作品と「東京画+」という東京の日常を撮ったシンプルな構図のモノクロ写真たちの関係。ボウイと置き忘れられたペットボトル、ニューヨーク・ドールズ夜の秋葉原にひっそりと佇むAKB48板野の笑顔の看板。被写体が優れてるから良い写真ができるわけではない。けれども、「あ、DAVID BOWIEだ!」と先に認識から写真を観る。それがスター固有の力だ(ロックスターであれ、女優であれ)。では、名もないモノや何者でもないヒトの写真が、スターの写真と同じレベルで感動を与えるならば、写真にとってスターの固有性って何だろう?(=72人のなかには当然名前を知らないスターもいる。)、そして写真って何だろう?という問いがでてくる。そんなに理屈っぽくなる必要ないのか。。鋤田さんのペットボトルの写真を観たときにそんなことが頭をよぎった。
「東京画+」は今年撮られたシリーズ。きっと調べれば鋤田さんの意図や狙いもわかるかもしれないけど、検索しないでおこう。僕にとっては、震災後の日本の虚無感を捉えているようにみえた。タイトルはほぼカタカナ(例: タベノコシ、ワスレモノ)。明日にでもすぐにみれる日常の風景。"Heroes"のアルバムに写ったボウイを観る、そして東京のペットボトルを観る。もっといろんな写真が観たくなった。

以下、メモ。

初期作品>
母 →すばらしい うつくしい
JAZZ
アイ・ジョージ

顔がない

Heros
コンタクトプリント48枚 見ざる、聞かざる、言わざる、解放の1枚

地下鉄>
地下鉄でシャボン玉で遊ぶカップル。解放感。

スプーンからスフィンクス

誰がために鐘は鳴る」 one of them

被写体=固有の魅力との戦い、かわいい、きれい〜フラットにするスキル

好きな作品 「東京画+」>
ワスレモノ
ペットボトル
ヨルノアキハバラ

Quote*1:

ある意味、意識として、マスとはある距離をおかなくちゃいけない。

*1:『タイムトンネルシリーズ vol.22 鋤田正義展 シャッターの向こう側』(ガーディアン・ガーデン、クリエイションギャラリーG8